エネルギー

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化石燃料は地球の遺産

アンモナイトを燃やして車を走らせる。もし、そんなことが行われたら、皆さんはどう思うでしょうか。貴重な地球の遺産を浪費しているように感じるのではないでしょうか。
現在、主要なエネルギー源となっている、石炭は3億6000万年以上前の石炭紀の植物などが地中に埋まり、炭化したもので、石油はプランクトンなどが地下で高圧によって変化したものだというのが定説となっています。
石炭や石油などの化石燃料を大量に使って暮らしていくことは、地球の遺産を燃やすことと同じだといえるかもしれません。

エネルギー問題と資源問題、環境問題

今後エネルギー問題をどうしていくのか、全地球規模で考えなくてはならないことです。これまで、石油や石炭といった化石燃料を大量に消費してきたことで、化石エネルギーの枯渇が近づく一方、CO2による地球温暖化や硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)による酸性雨などの環境問題が起こってしまいました。
対策としては二つ考えられます。第一の対策はCO2を放出しないクリーンで再生可能なエネルギーの開発です。水力発電、太陽電池や風力発電に加え、カーボンニュートラル(エネルギー製造と利用の正味ではCO2が変化しない)なバイオマスからのエタノール製造などが代表例です。これらはみな、無尽蔵な太陽光エネルギーを有効活用する技術です。もう一つの対策はエネルギー変換プロセスの効率を高めてCO2の放出量を低減することです。従来技術の改良はもちろんですが、例えばエネルギー利用では白熱灯/蛍光灯→LED照明へ、エネルギー製造では火力発電→水素製造・燃料電池へと、新しい方式の開発が代表例といえるでしょう。また、燃焼現象を化学的に解明することでエンジンの燃焼効率を改善したり、排ガス中のSOxやNOxの発生を抑えることもできます。

現実的な対策にむけて

これらの課題解決の基礎は化学にありますが、残念ながらそれだけでは不十分なのです。
例えば、穀物のバイオエタノールへの原料化は穀物市場の高騰を招いていますし、何より、代替燃料は開発、製造コストが高く、開発途上国では実質上使用不可能になっています。また、排ガス中のSOxやNOxを除去するために触媒として使用されているレアメタルも近年取得コストが急上昇しています。
つまり、エネルギー問題の解決方法はわかっているけれども、現実的な解決には、道半ばという状態なのです。
化学システム工学は、社会的、経済的な諸問題もふまえ、問題解決を指向しながら、化学を基盤に、要素が有機的に連結したシステムとして対象を捕らえていく学問です。
エネルギー問題の対策には、化学システム工学的アプローチにより、現実的に対応できる実現可能な研究を行うことが不可欠です。

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