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駒場生向け講義

駒場生向け講義

 化学システム工学科では教養学部生向けに様々な講義を行っています。

2019夏学期(S1・S2)

【初年次ゼミ:化学工学を理解して、地球温暖化に挑む】(脇原 徹 准教授)

 「持続可能な社会」を実現するためには地球温暖化問題を克服しなければならない。
 既に地球温暖化による影響は各所に見られるようになってきたが、依然としてCO2をはじめとする地球温暖化ガスの排出量は増え続けているのが現状である。危機的状況にあるといっても過言ではない。この問題に取り組むためには、特にサイエンス&テクノロジーの役割は大きい。特に、“化学システム工学”がキーであり、本授業ではこれを学んでもらう。

 化学システム工学とは、化学を基盤に、地球、社会、環境、安全など幅広い視野からシステマチックに対象をとらえる学問である。現実を踏まえた幅広い視野から対象をシステマチックに深く探求する。このアプローチこそが、現実の問題解決への具体的なビジョンを示す可能性をもっている。

 この授業を通じて、地球温暖化は食い止めることが可能である、ということを理解してもらいたい。

 1年生の少人数クラスでの議論を通して、正解が明らかでない問題について考える力を養うことを目的とする。意欲のある学生を歓迎したい。

【初年次ゼミ:やってみよう!化学を使った社会設計】(杉山 弘和 准教授)

 本ゼミでは、化学の知識を活かして、私たちの社会に関する課題を発見し、解決策を提案することを目指します。
 まず基礎知識を取得するために、以下のような演習課題を解きます。
  ・エアコンの効率が100%にならないのはなぜか?(熱力学の応用)
  ・スイカを冷やすまでにどれくらいの時間が必要か?(微分方程式の応用)
  ・PETボトルのリサイクルは環境に良いのか?(プロセス工学の応用) 

 これらの知識を土台に、グループワークで以下のようなテーマに取り組みます。テーマ設定は自由です。
  ・医療・医薬の問題
  ・環境問題
  ・エネルギー問題 

 本ゼミの狙いは、受講生が講義で学ぶ基礎知識をネットワーク化し、それを実際の課題解決に活用できるツールとして身に着けることです。

【総合科目:環境・エネルギー工学基礎Ⅰ 化学システム工学入門 -次世代社会のための化学と材料-】

  化学とは物質の性質、構造ならびにこれら相互間の反応を研究する自然科学の一部門である。物質を扱う限り、化学的な視点が不可欠であることはいうまでもない。一方、現実の環境問題やエネルギー問題などに取り組もうとすると、化学の知識だけでは不十分であることがわかる。なぜならば、我々が直面している課題は、様々な要因が絡みっており、複雑な様相を呈しているからである。このようなときには、対象を要素から構成されるシステムとしてとらえる、システム的アプローチが大きな力を発揮する。化学システム工学は、これらの問題を取り扱うための方法論を提示する学問である。
 本総合科目においては、化学システム工学を基に、化学的な視点(化学反応、材料、エネルギー)に立脚しながら、我々人間社会が直面している課題を取り上げることで、エネルギー変換化学、環境化学、安全安心、医療を対象とした、現実の「マクロ」の問題にどのように取り組むかについて講義と議論を行う。

 

【Sセメスター全学ゼミ:細胞培養に挑戦してみよう】(伊藤 大知 准教授)

 新規医薬品開発、医用材料の開発、材料の環境リスクの評価、再生医療にまで必要不可欠な、培養細胞を用いたバイオアッセイ法を体験学習する。培養細胞に抗がん剤やナノマテリアルを投与し、代表的な生存率測定アッセイにより細胞に与える影響を調べる。
 細胞培養は、化学システム工学・化学工学・生物化学工学・材料工学・バイオエンジニアリングなど工学系分野から、医学研究分野まで、幅広い分野で用いられている技術である。細胞も液体窒素で凍結保存されているものを解凍して容易に培養を始めることができる。 さらに培養した細胞の状態を調べる各種アッセイ法は幅広く用いられている。近年は各種試薬がキット化されて、廃液などの環境や人体への影響を調べることにも応用できる。
 本ゼミではこれらに実際に行ってみて、バイオ技術がいかに身近なものになっているかを体感してください。

 

【Sセメスター全学ゼミ:リチウムイオン電池を作ってみよう】(山田 裕貴 講師)

 リチウムイオン電池はスマートフォンやノートパソコンなどに使われている繰り返し充電可能な電池です。最近では、電気自動車や電力貯蔵用途としての採用も進んでおり、貯蔵エネルギー量の更なる増加が求められています。本ゼミでは、まだ実用化されていない新規材料を含む様々な電極材料を用いてリチウムイオン電池を作製し、その充放電特性の違いを評価します。それにより、リチウムイオン電池の構造と反応メカニズム、更なる高性能化における課題について学びます。

 

【Sセメスター全学ゼミ:バーチャル病院を体験してみよう】(水流 聡子 特任教授)

 患者治療計画を臨床プロセスとして可視化し,個別計画に従って,臨床プロセスをすすめていく疑似体験を通して,病院が提供する入院医療サービスの概要・意義を理解する.

 

【Sセメスター全学ゼミ:医薬品工場を見学してみよう】(杉山 弘和 准教授)

 最新鋭の医薬品工場を見学し、薬とその製造プロセスに関する理解を深めます。実施は5月25日(土)を予定しています。まず午前中に中外製薬浮間工場(JR埼京線北赤羽駅徒歩約15分)を訪問し、竣工したばかりの最新・大規模製造ラインを見学します。見学する工場では、バイオ医薬品(具体的にはモノクローナル抗体と呼ばれるタンパク質からなる薬で、抗がん剤などに使われる)が製造されています。見学後、本郷キャンパスに移動し、見学内容をさらに理解するための講義とディスカッションを実施します。製薬企業のモノづくりを実際に見ることのできる大変貴重な機会です。

※受け入れ人数に制限があるため、事前登録制とします。定員に達した場合は申し込みを締め切らせていただきます。
 締め切り:5月7日(火)
 連絡先:化学システム工学専攻 白畑 春来
 h-shirahata@pse.t.u-tokyo.ac.jp

 

【Sセメスター全学ゼミ:化学システム工学を冒険しよう~ショートオムニバス&研究室見学~】(脇原 徹 准教授)

 化学システム工学という学問は、その研究がどのように社会課題の解決に貢献できるか、課題解決のために求められる目的や機能は何かを常に考えることが求められます。化学システム工学における研究テーマは、基本的な原理を追究しているものから、社会における物質循環や安全の問題に取り組んでいるものまで、非常に多岐にわたっています。例えば昨今の地球温暖化問題に代表される環境問題は一つの技術だけでは解決できません。全体像を理解し、個別の問題を解決する能力が求められます。化学システム工学は、基礎としての「化学」に加え、分子から地球に至る各レベルでの様々な化学現象の解析・制御とそれらの構成要素のシステム化・設計を行うための方法論を学びます。そして、目的に応じて要素をモデル化し、全体をシステムとしてとらえるシステム的思考で各課題に取り組みます。
 この授業では、化学システム工学がどのような学問かを実際に本郷で体験してもらうことを目的としています。化学システム工学を取り扱っている研究室は多くありますが、いずれの研究室においても、現実の問題にどのように取り組むかという明確な視座を持ち、お互いに協力しながら研究活動を進めています。
オムニバスと研究室見学を組み合わせた内容にします。

 

2018冬学期(A1・A2)

【Aセメスター総合科目:現代工学基礎Ⅱ(化学情報とシミュレーション)】(小寺 正明 准教授、菊池 康紀 准教授)

 社会問題を化学の力で解決に導くための基本的なシミュレーション技術や情報処理技術を、Microsoft Excel を利用した演習を通して学びます。将来、プログラミング言語Pythonなどを使って高度情報処理・AI技術を実践をするための基礎をつくります。
 <キーワード:エネルギーシステム、バイオマス、多変量解析、機械学習、人工知能(AI)>

【Aセメスター学術フロンティア講義:化学と未来のモノづくり】

 Sセメスターに続き、化学システム工学科の教員が持続可能な未来のものづくりを実現するための化学と工学の役割を分かりやすく説明します。

  • 「産業で役立つ化学材料をつくる」(脇原 徹 准教授)
    化学産業では非常に多くの材料が作られ、使われています。この授業では酸化物、非酸化物系の無機材料を中心に、どのような材料がいかに製造され、使われているか全体像をつかむところからはじめます。その後、セラミックス材料を中心に、その製造プロセスを原子レベルで理解することを目指します。
  • 「医薬品を上手につくる」(杉山 弘和 准教授)
    医薬品は「人の命に関わる」「高付加価値」「少量多品種」という特徴を持つ化学製品です。本講義では、様々な医薬品の製造方法を紹介しつつ、化学の基礎知識がプロセスの最適化にどのようにつながるかを示します。
  • 「医用材料を化学でつくる」(伊藤 大知 准教授)
    「再生医療の足場材料」「外科手術の止血材」「抗がん剤の徐放ビーズ」など様々な医用材料が期待されています。このために、医学に加えて、高分子化学、有機化学、無機化学、生化学など、様々な化学の知識がふんだんに使われることをご紹介します。
  • 「次世代の電池をつくる」(山田 裕貴 講師)
    電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄えるリチウムイオン電池は、スマートフォンなどの携帯機器や電気自動車等における最も重要なデバイスの一つです。本講義では、次世代の電池に向けた最新の研究開発について紹介します。
  • 「社会に役立つ薄膜材料をつくる」(辻 佳子 准教授)

  • 「排ガスをクリーンにする触媒をつくる」(小倉 賢 教授)
    二酸化炭素排出制限が上位概念になっている昨今,内燃機関に頼る自動車の排出ガス規制は従来よりも厳しくなります。本講では,これまで体系化されてきた自動車触媒を概説し,今後への課題と技術論をともに考察します。

講義の他、教員との交流の機会や化学システム工学科研究室見学(本郷キャンパス)の機会も随時設けます。

【Aセメスター全学ゼミ:「環境にやさしい」を測ってみよう】(平尾 雅彦 教授・天沢 逸里 助教)

本全学ゼミでは、まず環境問題の背景と構造について座学で学び、環境へのやさしさを測るライフサイクルアセスメント(LCA)という手法について理解します。次に、学生ひとりひとりが「環境にやさしい」ケースを取り上げ、LCAを用いてその環境へのやさしさを測ります。最後に環境配慮製品・サービス・行動評論会を開催し、LCAの結果を議論します。また、本ゼミに関連する研究についても紹介します。

【Aセメスター全学ゼミ:火災・爆発災害を実験で解明してみよう】(土橋 律 教授・茂木 俊夫 准教授)

モデル実験を実施して、火災・爆発災害の基礎現象を解明する。火災については、旋回流と火災が干渉して火炎が旋回しながら高くなる「火災旋風」について取り上げます。火災旋風を再現し、旋回流の状態と火炎高さ、燃焼速度などとの関係について測定して現象を理解します。爆発災害については、空気中に浮遊した可燃性粉体が爆発する「粉じん爆発」について取り上げます。粉じん爆発を発生させ、爆発限界粉じん濃度や火炎伝ぱ速度を測定して現象を理解します。

【Aセメスター全学ゼミ:DDSのための薬物徐放ビーズを作ってみよう】(伊藤 大知 准教授)

疾患に応じて、体内の必要な場所に必要な時に、必要な薬物を送達するシステムを、ドラッグデリバリーシステム(DDS)といいます。このために新たな材料開発やシステム実現のための様々な実験が必要不可欠です。中でも最も基礎的な技術が、生体内分解性を持つ担体高分子に薬物を封入して、薬物をゆっくりと放出させる徐放技術です。生体内分解性を持つ担体高分子として、代表的なものがポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)です。実際に前立腺がんの抗がん剤であるリュープリンでは、PLGA粒子が用いられています。本ゼミでは、PLGA粒子内に、モデル薬物としてナイルレッド(NR)を封入し、試験管内(in vitro)での薬物放出速度を測定します。

【Aセメスター全学ゼミ:排ガスはどこまで浄化できるのか?自動車触媒技術】(小倉 賢 教授)

燃焼効率の高い内燃機関エンジン(車)から排出される排ガス中に含まれている除去対象成分として,窒素酸化物(NOx),パーティキュレート(Particulate Matter; PM)などが知られています。これらが実際にどのような触媒プロセス,メカニズムで浄化されているのか?実際の触媒化学反応を体験し,理解を深めます。ゼオライト触媒を用いた尿素(アンモニア)によるNOx還元反応,様々な炭素質物質の燃焼触媒反応を実施します。

【Aセメスター全学ゼミ:機械学習を体験しデータ駆動型化学の世界に入門してみよう】(小寺 正明 准教授)

本ゼミでは、データサイエンスや機械学習の現場で広く利用されている多機能WebエディタJupyter Notebook とプログラミング言語Pythonを用いて、まずは基本的な演算や統計解析をする方法を学びます。続いて、人工知能の一分野である機械学習の基礎を学習し、回帰問題、分類問題を解くためのプログラミング演習を行います。最後に、実際の化学のデータを用いた問題を解いていきます。