学部の講義紹介
学部おすすめ講義
【化学システム工学基礎論】2年Aセメスター
化学システム工学の基本概念である、化学知の構造化による問題解決と社会実装の方法論について学び、その実践例としての様々な研究内容に直接触れることで理解を深めることができます。化学知を学ぶことの重要性と意義を認識し、日々の学修をより充実した動機とともに進めるためのきっかけを与えるとともに、将来のキャリアパスを考える上での題材を学科進学後の早期に提示しています。コロナ禍はハイブリッドで実施しました。
【2023年度のテーマ例】
・イントロダクション-化学システムとしての低炭素社会
・世界のエネルギー事情/自然エネルギーの腑存量/ 燃料電池
・薬をつくるプロセス
・天然ガスの高度利用に関する触媒反応
・水分解反応による水素製造:電極触媒と光触媒の基礎
・水素利用のセーフティ・マネジメント
・次世代太陽電池が開く脱炭素社会の扉 ・低炭素社会に向けた計算化学による材料・触媒設計(I)、(II)
・電子・情報デバイス
・リチウムイオン電池
【受講者の感想】
・知識を階層化し、さらに要素に分けて考えようというシステム的思考がいかに有効であるか、目から鱗であった。
・今後、このような分野で自分が研究していくことが非常に楽しみに感じられた。
【プロセスシステム工学Ⅰ,Ⅱ,プロセス設計及び演習 】3年S, A,4年Sセメスター
プロセスシステム工学は、モデル化・シミュレーション・最適化技術を駆使して、化学プラントのような複雑システムを適切に設計・運転するための学問です。
「プロセスシステム工学I」では、データ解析の基礎となる統計手法を学びます。統計量計算、検定、多変量分析等を用いて、プロセスの特徴を掴めるようにします。さらに、プラントの監視・制御に用いられる PID 制御を学びます。
「プロセスシステム工学II」では、反応器、分離器からリサイクルへと対象を広げ、最終的にはプロセス全体の入出力を定量的に扱うモデルを構築します。これを計算機上に実装し、経済的に最適な設計条件を特定します。医薬品のプロセス設計についても学びます。
「プロセス設計及び演習」では、化学産業で実際に使用されるプロセスシミュレータを使って設計方法を学びます。反応や分離のユニットを組み上げて、経済性と環境影響を同時に最適化するプロセスを設計します。講義はコンピュータ演習室で行われます。
【受講者の感想】
・実際の化学プラントを計算して作るというテーマは、少し難易度が高かったが、楽しかった。将来に役にたつと思う。
・プラント設計について、演習→プログラミングの流れで進むので、理解しやすかった。初歩的ではあるが、本格的なプログラムを書けるので、楽しかった。
【化学システム工学輪講】3年Aセメスター
化学システム工学輪講では、各研究室の研究分野に関連する英語文献を、少人数のグループで輪講します。専門性の高い文献でも、講師や先輩の丁寧なサポートがあるので、3 年生でも読み進めることができます。4 年生からの研究活動では、英語の文献を読むのが必要不可欠になるので、研究室配属に向けて非常に効果的なトレーニングになります。加えて、輪講で学んだ内容を基に、関連分野の最新論文を輪講したり、実験や計算を行ったりすることで、学んだ知識が最先端の研究につながっていることを実感し、研究活動のイメージを持ってもらうことを目指しています。
【2023年度のテーマ文献】
・Computational Chemistry / Density Functional Theory: A Practical Introduction
・Drugs: From Discovery to Approval (3rd edition)
・Nano Comes to Life: How Nanotechnology Is Transforming Medicine and the Future of Biology
・Polymer Chemistry
・Nanochemistry: A Chemical Approach to Nanomaterials
・Ammonia synthesis using metal-loaded catalyst / Electrode catal ytic reaction for water electrolysis / Photocatalytic reaction for water splitting
・The Electronic Structure and Chemistry of Solids
【受講者の感想】
・少人数だったので、細かい質問がしやすかった。研究室の雰囲気も感じることができた。研究室を選択する上で、非常に役に立った。
・研究室について深く知る初めての機会だった。参加型の講義で、少人数なので一人辺りの密度が濃かった。
【化学工学実験及び演習】3年Sセメスター
化学工学実験では、化学工学の基礎的な理論【移動速度論、粉体工学】、化学プロセスを構成する単位操作 ( ユニットオペレーション )【蒸留、固体触媒反応】、化学プロセス全体を制御するプロセス設計とその関係性について、自ら実験や演習することによって、正しく理解することを目指します。
また、4 年生以降の研究に備えて、実験計画~装置の設計運転にいたる実験方法や、レポート・図表の作成方法を実践的に身に着けます。
そして、「様々な因子が複合的に影響する中で、プロセス全体としての最適解をどのように導き出していくか」という、化学システム工学に不可欠なシステム的思考の基本的な考え方を習得します。
【受講者の感想】
・駒場で行っていた実験より化学に特化したもので、自分で考えて実験することが多くなった。
・化学工学という学問を一通り扱っており、実際に手を動かして学べるので、今後の研究を考える上で役に立った。
・流動層の実験は目に見えて変化が分かるので面白かった。