卒業生・修了生メッセージ
村岡 恒輝
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻 助教
2019年 博士課程修了
化学システム工学科・専攻(化シス)の特色の1つは、化学とシステムという大きな柱を中心に、幅広い様々な分野の研究者が活躍している点です。分野が多様にもかかわらず、研究室間の横断的な交流が非常に盛んで、俯瞰的な視点を養うことができます。化学や環境・エネルギーなどに興味があり、色々なことを学びたいという方にはとても魅力的な学科・専攻だと思います。例えば、私は学生時代、材料合成の研究室で有機合成と無機合成に明け暮れていましたが、設計特論や論文の副査制度を利用して、理論計算、機械学習、触媒、ライフサイクルアセスメントなどがご専門の先生方とディスカッションを行い、自らの研究に役立てることができました。
大学、大学院卒業後は、研究室での専門どストライクのテーマを続けることは稀で、連続的にさまざまなトピックにスペシャリストとして挑戦することが求められます。化学やシステムといった大きな柱を軸足に、そういった「連続スペシャリスト」になるために、化シスは、理想的な環境だと思います。
白畑 春来
武田薬品工業株式会社 ファーマシューティカル・サイエンス
バイオロジクスプロセス・デベロップメント
バイオマニュファクチャリング&テクノロジー ジャパン
2020年 博士課程修了
もともと好きだった化学の分野を基礎として、興味のあった環境問題を解決できる学部、と聞いて化学システム工学科を選択しました。学部から修士、博士課程では一貫して製薬プロセスシミュレーションの研究に取り組みました。研究で培った専門性を活かして、現在は製薬企業でプロセス開発や治験原薬製造の効率化に取り組んでいます。
私は化シスでの学生・研究生活を通して、以下のようなスキルや財産が身に付きました。
(1) 要素技術への専門知識を大事にしつつ、システム全体への影響を俯瞰的に考える視野の広さ。
(2) 自らの研究が社会問題の解決にどのように役立つのか、応用されるのかを見出す、論理性や教養。
(3) 熱心に教育・研究指導をしてくださる教員や、多様性がありお互い切磋琢磨できる仲間との人脈。
研究生活では、学会への参加や論文投稿という、アカデミックかつ国際的な場での成果発表はもちろん、国内・海外インターンシップや実習のチャンスもあり、バランスの取れた経験を積むことができます。このメッセージを読んで興味を持ってくださった方は、ぜひ化シスへの進学を検討してみてくださいね!
仮屋﨑 真希
日清エンジニアリング株式会社 エンジニアリング事業本部 プラント第一部
2017年 修士課程修了
学部から修士まで化学システム工学科/専攻に在籍し、現在は、日清エンジニアリング株式会社で工場建設に携わっています。卒業した今、実感する化シスの魅力を3つご紹介します。
1つ目は、化学を基盤とした社会貢献まで見据えた研究ができることです。自分の研究が「人に感謝される」ことの喜び・達成感を感じることができ、企業で働く今もとても大切にしている信念です。
2つ目は、多種多様な授業や実習により、幅広い知識や教養を身につけられることです。さらに、将来の進路まで見据えたカリキュラムも豊富で、私自身、インターンシップ実習を通してプラントエンジニアリング業界への就職を決めました。
そして最後に、先生方・スタッフの方々の気さくで優しい人柄です。学科全体の雰囲気も良く、お互いにリスペクトし合える環境で、豊かな人間性が養えます。研究はときに大変なこともありましたが、化シスの環境だからこそ、今振り返っても、最高に楽しい大学生活でした。
化シスには、他にもまだまだ魅力があります。興味がある学生は、ぜひ化シスへ進学を!
碓井 政貴
株式会社マルチブック サービス開発担当
2020年 修士課程修了
私は学部から修士まで化学システム工学科に在籍し、細胞の機能活性評価の研究を行なっていました。現在は株式会社マルチブックにて、海外拠点向け会計システムの開発及び顧客企業の保守コンサルタントに携わっています。研究分野と現在の職がかけ離れていると思われるかもしれません。しかし、学生時代に学んだことは今でも非常に役立っています。
化シスの研究は社会と深く繋がっています。社会が抱える問題を解決するために、その本質的な原因を理解し、化学の素養とシステム的思考を用いて解決策を立て、実験やシミュレーションにより解決策を評価、改善していくことを学びました。この課題解決のためのアプローチは研究の際の指針となるだけではなく、化学と直接の関係のない私の現在の仕事においても欠かすことはできません。
また、研究室内外でのコミュニケーションが活発なところも化シスの魅力の一つです。外国人留学生との英語での議論では社会人として必須とも言える度胸と語学力を身につけることができ、他研究室の方との交流は、卒業してからも先輩後輩問わず続いています。真摯に、そして楽しく研究生活を送りたいという学生の方に、化シスは自信を持ってお薦めできる専攻です。