在学生メッセージ
現役学生による座談会
化シスをえらんだ理由を教えてください。
伊藤:僕は、大学に入りたての頃は、数学の道に進みたいなと思っていました。数学が一番好きだったので。ただ、大学数学が思っていたものと違っていて、反対に大学の化学は面白いなと感じるようになり、2年生になると化学系に進みたいと考えるようになりました。色々調べる中で、実学に進みたい、自分の研究したことが実際に役に立つ方がいいと工学部の化生系三学科にしぼり込みました。そして、オンラインの工学部化生系三学科の進学ガイダンスを聞いて化シスの雰囲気がとてもよさそうだなと思ったのが、決め手の一つです。アットホーム感や先生方のやさしさにあふれていましたね(笑)。それから、筋道をたてて論理を考えていくのが好きだったので、システム的思考が自分に合っていると感じ、化シスに進学しました。
廣納:学科のアットホーム感は、化シスの魅力ですよね。
伊藤:Zoomで伝わるアットホーム感って、すごいですよね。
廣納:僕が、化シスを選んだ理由は3つあります。一つは、高校時代から化学が好きだったことです。二つ目は、化シスの「分子から地球まで」というキーワードに興味を持ったからです。化学を使って様々なスケールの課題に取り組もうとしている姿勢が自分に合っているし、自分もそうなりたいなと思いました。三つ目は、システム的思考です。物事を要素に分解してそれぞれの連関を見ることで、システムとして理解することができるという考え方にひかれました。単にシステムを研究するだけじゃなくて、システム「的」な考え方を取り入れているのが特に大事だと思っています。化シスは研究室によって全然違う研究をやっているんだけど、同じ学科でいられるのは、考え方が共通しているからなんだと思います。
山口:私も中高時代に化学が好きで、地球環境・温暖化防止に貢献する研究室に行きたいなと漠然と考えていました。化学系の研究室っていっぱいあるんですが、化シスの杉山先生の初年次ゼミナールを受けたことが大きなきっかけになりました。微分方程式を使ってスイカを冷やす時間を計算したり、熱力学からエアコンの効率を考えたり、身近な内容を1年生にも分かるように説明していただきました。そのあと、自分達でテーマを決めて環境問題にアプローチするグループワークをしたのですが、それがとても楽しくて自分のやりたいことに近いなあと感じて化シスへの興味がわきました。その後に、化シスのランチセミナーで先生や先輩とお話ししたり、研究室見学に行ったりする中で、温かい雰囲気も分かってきて、化シスに行こうって自然に思っていましたね。入ってからも、思った通りでした。先生も学生に近い存在ですね。
廣納:化シスは、地球環境問題にも、長い間ずっと取り組んでいますからね。
山口:2年前は、今ほどSDGsも浸透していなくて、環境やエネルギーを全面に出している学科は、そんなに多くなかったと思います。
廣納:山口さんの所属する大久保・伊與木研は、材料から環境につなげる研究をしていますよね。材料研究をして終わりではなく、その先の社会実装までを見据えているのが化シスのすごいところですよね。
山口:そうですね。大久保・伊與木研は材料の合成をしている人もいれば、私のように実際に大気中の物質の吸着といった応用的なことをやっている人もいて、とても幅広いです。
実際に、化シスに進学してみてどうですか。
伊藤:専門課程で急に難しいことが始まってついていけなかったらどうしようという不安があったんですが、2年Aセメで、基礎の基礎から丁寧に教えてもらえたのでとてもありがたかったですね。教養課程の復習的な部分もありましたし、専門知識の基礎から段々理解を促してくれる感じです。3年生になって化シスだけの講義も増えましたが、雰囲気がいいですね。にじみ出るアットホーム感(一同笑)。先生方がとても優しいです。気さくな方ばかりですね。なので、講義中も質問しやすいです。演習中に友人と相談していると話に入ってきて「分からないところある?」って聞いてくださる先生もいます。神です!!
山口:研究室に入ってみて、3年までの勉強と研究室での研究の仕方がガラッと変わりました。頭の使い方も変わりました。座学の勉強はわりときっちりやってきた方だと思うんですが、逆に研究室の活動のやり方が分からなかったんですね。最初は焦りました。でも、先輩が声をかけてくださったり、ポスドクの方々や先生方とディスカッションしたりと、周囲の力を借りながら、探り探り進めていった感じです。秋くらいから装置が完成して、実験して、データとってと、ちょっとずつ積み重ねていくと、実験・研究のコツも掴めてきたり、先生方とのディスカッションも受け身だけじゃなくて、自分からも意見を言えるようになったりして、自分なりに成長を感じています。今思うと、アットホームな雰囲気で、気張らずに色々できた環境がとてもありがたかったですね。まだまだ研究は1年目なので、これからですけどね。
廣納:いやいや、4年生で受け身じゃなくて自分から意見が言えるのってすごいですよ。大久保・伊與木研はスタッフも多いし、サポートも充実してますよね。よくコモンスぺ―スでディスカッションしているのを見かけます。コロナ禍でも、研究は全て対面でやっていたんですか?
山口:基本的には、大学で行っていましたが、事前に連絡をして、論文調べやプレゼン資料の作成などを在宅ですることもありました。研究室でもテーマによってプログラミング系の研究をしている先輩は、在宅が多い場合もありますね。
廣納さんは、学部時代、部活との両立をされていましたね。
廣納:学部時代は、硬式野球部に入っていたので、部活との両立が正直しんどかったです。でも、化シスは比較的フレキシブルな時間割で、かつコンタクトグループでフォローもしてもらえて、学生の意思を尊重してくれるというか、やる気があれば認めてもらえてきちっと評価される環境があったので、2,3年生とがんばることができました。研究室に入ってからは、それがより一層強くなった感じですね。研究室の先輩やスタッフがサポートしてくれて、4年生が自分の研究だけに集中できる環境を整えてもらえたのはとてもありがたかったです。修士課程に進学してからは、さっき触れた「システム的思考」とか「分子から地球まで」といった広い視点で研究を考えられるようになってきました。また、後輩が入ってきて、自分がしてもらったことを今度は自分が後輩にしてあげる立場になってみて、そういうことが化シスの伝統としてずっとあるんだなって感じるようになりましたね。
学びに関していうと、化学に興味があって化シスに入ったんですが、入ってから学ぶのは、化学工学なんですよね。僕の中では最初は少し違和感があったんですよ。でも、基礎から教えてもらって時間をかけてきちっと学べたので、研究室配属時にどの研究室にいくにしても基礎になる部分としてちゃんと叩き込んでもらったなと感じています。そこは、化シスの学部教育のよいところだと思います。総じて、学生が成長できる環境がありますね。
これから研究室に進む伊藤さんから先輩方に何か質問はありますか?
伊藤:僕、英語が苦手なんですよね。
廣納:英語は大事なトピックですね。
山口:読む論文は全部英語ですね。私の研究室のゼミの発表は、資料は英語で作成しますが、発表は日本語です。廣納さんはどうですか。
廣納:杉山研は英語のことが多いですね。化シス全体で、卒論や修論を英語で発表する人もいます。
伊藤:修士に進むと英語を使うことが増えますか。
廣納:研究室の中で使うことが増えますね。それから、留学生もいるので講義が基本的に英語になります。でも、そんなにこわがることはないですよ。
今、学科として英語のサポートも更に充実してきていて、外国人の助教やポスドクの方々と少人数で英語で会話をする機会(International Lounge @ ChemSys)を設けたりしていると聞いています。英語の環境に身を置くのが大事だし、がんばってたら皆応援してくれますよ。
最後に1,2年生へのメッセージをお願いします。
廣納:進学選択にあたっては、研究室見学をおすすめします。実際に人を見るのがとても大事だと思いますよ。
山口:雰囲気を実際に見るのは、本当に大事ですよね。ガイダンスやランチセミナーで雰囲気がよさそうだとは思っていたけど、実際に入ってみたら、本当のところも雰囲気がいい学科でした。先生だけじゃなくて、学生達の雰囲気も良くて、勉強を教えてもらったり、一緒に遊んだり。自分が楽しんで学べる環境でした。皆さんにもおすすめします。
伊藤:教養学部時代は、そこまで成績がよくなかったんですが、化シスに入って、基礎の基礎から学んだことで理解が深まり、勉強のモチベーションがとても上がりました。また、いい意味で色んな学生がいて、勉強をしっかりやっている人、サークルや部活をがんばっている人もいて、刺激になります。
廣納:研究室に入ってからも、一人一人違うテーマをやるから、それも面白いですよね。化シスは、化学を武器に社会実装に向けた研究ができて、化学システム工学的な考え方も身に付けることができるので、とても成長できる場があります。しかも、めっちゃ雰囲気がいいので、ぜひ一緒に学びましょう。
(2022年2月実施。学年は当時)